結論
ふるさと納税で自己負担が2,000円に収まる上限の目安は、次の式で出せます。
上限の目安 = 住民税の所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税の税率 × 1.021)+ 2,000円
- 「住民税の所得割額」は、住民税の決定通知書(会社員は勤務先から渡されるもの)に載っています
- 式は、総務省が示している控除の計算式から、住民税の特例分がちょうど上限(所得割額の2割)になる寄附額を逆算したものです
- その年の1月〜12月の寄附が、その年の所得の控除になります。2026年分は12月31日までに寄附を済ませます
上限ぎりぎりではなく、目安より少し下に収めるのが安全です。
背景(しくみ)
総務省によると、寄附額から2,000円を引いた部分が、次の3つに分かれて控除されます。
| 控除 | 計算 |
|---|---|
| ① 所得税 | (寄附額 − 2,000円)× 所得税の税率 |
| ② 住民税(基本分) | (寄附額 − 2,000円)× 10% |
| ③ 住民税(特例分) | (寄附額 − 2,000円)×(100% − 10% − 所得税の税率) |
- ③の特例分には、住民税の所得割額の2割までという上限があります。寄附が多すぎて③が上限にかかると、①〜③を足しても全額は控除されず、2,000円を超えて自己負担が出ます
- 所得税の税率には、令和19年中の寄附までは復興特別所得税の分が加わります。式の「× 1.021」はこのためです
- ①は総所得金額等の40%、②は30%が対象の上限です
総務省の計算例:年収750万円の会社員(夫婦・子なし、所得税の税率20%)が30,000円を寄附すると、①5,600円+②2,800円+③19,600円=28,000円が控除され、自己負担は2,000円です。
手順
① 住民税の所得割額と、所得税の税率を確かめる
- 所得割額:住民税の決定通知書の「所得割額」の欄を見ます。ただし、これは前の年の所得をもとにした額です。今年の収入が去年と大きく違う人は、目安がずれます
- 所得税の税率:源泉徴収票や確定申告書の「課税される所得金額」から、国税庁の税率の表で確かめます(5%・10%・20%など)
② 上限の目安を計算する
計算例(数字は例です):所得割額が30万円、所得税の税率が10%の場合
- 30万円 × 20% = 6万円
- 90% − 10% × 1.021 = 79.79%
- 6万円 ÷ 79.79% ≒ 75,197円
- 75,197円 + 2,000円 ≒ 約77,000円
住宅ローン控除や医療費控除を受ける人は、住民税・所得税が減る分、上限も下がることがあります。正確な額は、住んでいる市区町村の住民税の担当に問い合わせられます(総務省の案内)。
③ 12月31日までに寄附する
- 年末は申込みが集中します。支払い方法によって「いつの寄附」になるかの扱いが違う場合があるので、年末ぎりぎりの寄附は寄附先の案内を確かめます
- 寄附は控除を受ける本人の名義で、本人が支払います(家族のカードや名義で払うと、本人の控除になりません)
④ ワンストップ特例か、確定申告かを決める
| こんな人 | 手続き |
|---|---|
| 確定申告をしない会社員などで、寄附先が5団体以内 | ワンストップ特例:寄附のたびに、寄附先の自治体に申請書を出す。所得税からは引かれず、全額が翌年度の住民税から引かれる |
| 寄附先が6団体以上/医療費控除などで確定申告をする/自営業など | 確定申告:翌年3月15日までに、寄附の受領書を付けて申告する。確定申告をする人は、ワンストップ特例を申請した寄附も含めて、全部の寄附を申告に入れる |
- ワンストップ特例の申請後に引っ越しなどで内容が変わったら、寄附した翌年の1月10日までに、寄附先に変更届出書を出します
- マイナンバーカードを使って、ワンストップ特例をオンラインで申請できる自治体もあります
自分の記録
わが家でも、ふるさと納税をしています。やってみて分かったことです。
- 上限の目安は、ふるさと納税サイトのシミュレーターで出しました。 収入と家族構成を入れるだけで目安が出るので手軽です。この記事の式は、シミュレーターの結果が妥当かを確かめたり、住民税の決定通知書の数字から自分で計算したりするときに使えます
- 手続きはワンストップ特例にしました。 確定申告をしないので、こちらの方が楽でした
- 申請のしかたは、自治体ごとに違いました。 寄附のあとに自宅に届いたハガキに、申請用のURLが書かれていて、そこから申請する自治体がありました。申請を受け付ける窓口(サイトやサービス)も自治体によって違うので、寄附した自治体ごとに、届いた案内を確かめて申請する必要があります
- 申請し忘れを防ぐため、寄附した自治体と、申請が済んだかどうかを一覧にしておくと安心です
注意点
- ここで出すのは目安です。収入や控除の状況で変わります
- 2026年分(令和8年分)から、所得税の基礎控除などが見直されます(国税庁)。去年と同じ収入でも、税率や上限の目安が変わることがあります(どれだけ変わるかは要確認)
- 返礼品は「一時所得」にあたります。ほかの一時所得と合わせて年間50万円を超えると、超えた分に税金がかかります
- 返礼品や受付の条件は、自治体やポータルサイトによって違い、変わることがあります。申し込む前に最新の条件を確かめてください
まとめ
- 上限の目安 = 所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税の税率 × 1.021)+ 2,000円。少し下に収める
- 2026年分の寄附は12月31日まで。本人の名義で
- 5団体以内で確定申告をしないならワンストップ特例、それ以外は翌年3月15日までに確定申告